中年女性のNYCひとり旅の巻き

アメリカ生活十数年にもなる私はニューヨークへ旅したことは一度もありませんでした。
当時オレゴン州のポートランドに住んでいたのでMLBのヤンキースの試合を見に行くときはいつも、
シアトルにあるセーフコフィールドでイチロー所属のマリナース対ヤンキースの試合を十分堪能出来、満足していました。

しかし大好きなデレクジーターが2014年を最後に引退することになっていたので、
思い切って彼の本拠地ヤンキーススタジアムで見納めをしようとNYCまで一人旅を実行することにしました。
オレゴン州のポートランドからJetBlueで夜9時過ぎ出発のred-eye flightを利用しNYCには朝5時過ぎに到着しました。
ジョン・F・ケネディ国際空港からは乗り合いバスのスーパーシャトルに乗り予約してあったホテルで降ろしてもらいました。
チェックインは午後3時だったので荷物はフロントに預けてNYCの観光を楽しむことにしました。

初めて地下鉄に乗って向かった先はアメリカ自然史博物館でした。
ここは映画Night at the Museumの舞台として有名な場所なので開園前まで時間がありましたが既に観光客の人々が並んでいました。
とても楽しみにしていた有名なプラネタリウムの中では寝不足の為、椅子の上でうとうとしてしまいました。

ヤンキースのゲームはチケットを3戦分購入してあったのでこの日は一旦ホテルにもどり夕方また地下鉄に乗りブロンクスにある新しいヤンキーススタジアムまで行きました。
愛しのデレクジーターがピンストライプのユニホームを着てプレイを見るのは最初で最後になるので新しく買ったデジカメでたくさん彼のお姿を撮りました。
2日目はデイゲームだったので1時からの開園に遅れないように早起きをして映画You’ve got mailでロケされた有名な「カフェラロ」ヘ行きました。
メグ・ライアンが映画の中で座ったであろう席につきカフェラッテとチョコレートケーキを注文しました。朝早いせいかお客は私一人だけでした。

この後はこの映画にも出てくる高級食材マーケットzabar’sゼイバースへ。
紅茶、マグカップ、トートバック、キッチン用品など購入しメグ・ライアン気分でカートを押しながらお買い物を楽しみました。
2日目のヤンキース戦はイチローさんに焦点を絞り、外野席のライト側一番前の席を確保していました。
もう少しでホームランになるボールを「んぐぐ」と低い声をだして必死になって飛び付くさまは今でもはっきりと目に焼きついています。
勿論イチローさんの写真もたくさんカメラに収めてきました。

ヤンキース戦を堪能してホテルへ着くやいなや黒色のタイトなワンピースとパンプスに履き替えそのまま「オペラ座の怪人」をブロードウエイまで見に行きました。
席は何とオーケストラ席の一番前。私の右隣に座った男性はオーストラリアからお一人様で旅行を楽しむ方でした。
ミュージカルに感激した彼は私に「これこそが本当のアメリカの文化だよね!」って興奮して言うものの
私は心の中でヤンキースのゲームの方がアメリカの文化の気がするんだけどと思っていました。

ミュージカルを見た後スタバでお茶しようよと彼からさそわれるもののいかんせん中年女性にとって朝早く起きた為の寝不足、
ヤンキース観戦までこなした後だったので眠気に襲われ軽くお断りしました。
歩いてホテルへ帰る途中大雨と雷雨に見舞われ着いた時は完璧にお化粧がとれてひどい顔になっていました。

3日目はタイムズスクエアでおもいっきりショッピングを楽しみました。そしてこの晩はデレクジーターの最後の見納めでした。
席はホームプレートの後ろ。「デレク!やっとヤンキーススタジアムへあなたのプレイを見に来たわよ!私の事、覚えているわよね!」
靴擦れと五十肩の痛みにもがきながら何とか無事に一人旅を終えることが出来ました。
JetBlueの機上からきらきら輝く夜のNYCを見下し好きな旅行の為にこれからも頑張って働くぞっと心に誓いながら眠りに落ちました。